ここではチームビルディングで成功している事例や面白いチームビルディングをしている事例を紹介していこうと思います。

最初はラグビー日本代表チームです。

ラグビー日本代表に学ぶチームづくり3つの特徴
ラグビーワールドカップが2015年9月15日に開催されました。ここでは南アフリカに勝つ奇跡があり、ラグビーに注目度があがり世間を賑わせています。

この結果は偶然ではなく、チームを正しいプロセスで導いてきた結果だと思います。それは、ずっと弱小国と言われてきた日本がいまでは強豪に名前を連ね大きく変化していたからです。一時、世界ランキング9位も記録し、現在は10位前後となり、強豪に名前を連ねています。

その要因は何でしょうか?
引き金になったのは、2011年ワールドカップでニュージーランドに7ー83で大敗を喫したことでした。体格が最も重要な要因になるラグビーにおいて、体が小さい日本人はこれまで世界の強豪にはまったく歯が立ちませんでした。
ここで監督を変え、世界的に有名で実力のある監督、オーストラリア国籍のエディージョーンズ監督が就任しました。

ここからチーム大きく変わっていったのです。彼がどのようなチーム作りをしたのかをみていきましょう。

 

分かりやすく紹介されていたので、NHK 「プロフェッショナル 仕事の流儀」で放送されていた内容をもとに紹介します。

彼のチーム作りの特徴は
1.強みを知り強みを伸ばす
2.ハッピーにさせない(常に緊張状態をつくる)
3.メンタルの波を小さく(感情の起伏を整える)
この3つです。

この3つの特徴を持ちながら常にチャレンジするチームを作っています。

まず、チーム作りの特徴の土台はチームメンバーのメンタルの部分です。
エディージョンズ監督はこのように語っています。
「日本はこれまで、準備やスタイル、戦術といった何から何まで世界のスタイルを模倣してきました。ここからさらに発展するためには『どのように準備をするのか』『どのようにプレーするのか』『どのように考えるのか』ということを、日本独自のやり方で、1から全部作り直していくことが必要となります。それがJAPAN WAYです。世界的にみれば、日本はまだまだリスペクトされているとは言えません。やはり世界からリスペクトされるチーム、誇れるチームにしていきたいですし、日本ラグビーというブランドをつくっていきたいのです」

1.強みを知り強みを伸ばす

「日本人の強みは、真面目で忍耐力があることです。それは間違いなく世界一です。他の国の選手なら、とっくに逃げ出しているでしょう。」(エディー監督)

エディー監督は日本人の強みを徹底的に観察し、それを伸ばすことで世界の強豪相手にも打ち勝つ集団へと進化させました。エディー監督が考える、日本人の強みは、「どんな過酷な練習にも耐え、向上心を持ち続ける“勤勉さ”」でした。

エディー監督は、日本人の勤勉性を活かして、早朝6時から練習を始める「ヘッドスタート」を実施しています。そして、選手を徹底的に追い込むことで、世界一忍耐力のあるチームを築こうとしています。また、「ヘッドスタート」とは世界の誰もが寝ている時間に仕事に取り組み、前に進むという意味があります。それが結果につながり、自信になっていきます。

2.ハッピーにさせない(常に緊張感を与える)

「選手の心をもてあそぶことはしませんが、少しだけ揺さぶりをかけるのです。私はハッピーなチームにはしたくありません。居心地がいいと能力は発揮できないからです。ときには少し突き放すことで、選手が100%安心しないようにしています。あえて刺激し、緊張感を作り出すのです。」(エディー監督)
エディー監督の名将たるゆえんは、選手一人一人を理解し、その能力を最大限に引き出す手腕にあります。
日本代表合宿の間、エディー監督はひたすら選手の一挙手一投足を観察し続けています。選手の能力や課題を見極めるのはもちろん、「どんな性格か」、「コーチや他の選手との関係はどうか」、「ラグビーを続ける動機は何か」など、それぞれの選手の内面深くまで見つめようとします。その上でエディー監督は、選手の心を刺激するような策を次々と打ち、選手から力を引き出していきます。

たとえば、引っ込み思案でチームに馴染めない選手がいれば、思い切ってレギュラーに抜てきします。そして他の選手と、より積極的にコミュニケーションを図らなければならない状況を作ります。あるいは逆に、レギュラーの選手から少しでも過信や慢心を感じれば、容赦なくレギュラーから外します。

選手を成長させるために必要なのは、選手を正しく理解し、それに合った方法で“少しの不安”や“緊張感”を与えることと、エディー監督は考えています。

3.メンタルの波を小さく(感情の起伏を小さく)

「技術的にも感情的にも、常にやる気が満ちあふれている組織はありえません。自分も生きていく中で100%頑張る気持ちになれない朝もあるでしょう。
でも、そういう日こそ自分を奮い立たせないといけません。波を小さくさせ、一貫性を保つことが成長の差を分けるのです。」(エディー監督)
エディー監督は世界各国の強豪チームを率い、実績を上げてきました。どんな組織でも成長させていく、必要不可欠な心構えは、「感情の波を小さくする」ということです。

例えば、「大事な試合に負けて、自信を失った。」、「体調が悪く、今日は少し気分が乗らない。」など、どんな人でも感情的に落ち込み、やる気がでない日もあります。
しかし、エディー監督は指導者として、誰にでも感情に起伏があることを理解したうえで、そうしたメンタルの波を最小限にとどめさせることが大切だと言っています。

ひとたび惰性が習慣づけば、人はどんどん易きに流れ、元の状態に戻すことさえ難しくなります。けれど、自分を律する力を身につけている人は、気持ちの落ち込みも少なく、再び成長曲線に乗ることができるのです。
指揮官としてエディー監督は、まずは自分の波を小さくしたうえで、指導する選手の“波”にも気を配り、鼓舞し続けています。

 

最後にエディー監督が具体的に実践しているチームビルディングの手法を紹介していきます。

◆人材育成について

エディー監督は特に各ポジションのリーダーを成長させることを重要視しています。特にラグビーの試合では監督は外にいるのでグラウンドの中に入って選手に指示は出せません。実際にはリーダーが試合中に自分で考え同じポジションの仲間に伝えて状況に対応していきます。そのため、各ポジションのリーダーを育成させることに力を入れています。
彼が目指しているリーダー育成の目標は自立し自分で考えて状況を打開できる力です。そのために、エディー監督は細かいところはリーダー達に考えさせ決めさせていきます。例えば、ミーティングでは大きな方向性、作戦の話はエディー監督がします。ただ、細い状況に対する対応方法の話はしません。この部分はリーダー達に議論させ決めさせています。さらにリーダー達が議論している最中には監督、コーチ陣も皆、部屋から退出しリーダー達を残して議論させていきます。このように選出達に考えさせ、決めさせることで状況判断力を養っているのでした。

 

◆練習メニューについて

練習では新たな練習をどんどん作り出していき、選手がどんどんミスをさせるメニューを作り選手を困惑させます。なぜこのようなメニューを作るかというと、エディー監督が選手は失敗から学び成長すると考えているからです。
日本では特にミスをしないように練習しているそうです。しかし、ミスをしないと上達しません。そのため、エディー監督はミスをさせるメニューを考えて選手にチャレンジさせているのです。

 

◆試合前の儀式について

エディー監督は選手一人一人に向けてメッセージを用意しています。
短い言葉ですが、パワーポイントに選手ごとに3〜5項目ほどにまとめていきます。
ここで、重要なのは短い言葉で的確に伝えている点です。文字に残すことで、その場の感情に左右されずに全て伝え、また短い言葉で選手の記憶に残るようにしています。特に素晴らしいのはこのような的確な言葉を残せるのも日頃から選手をよく観ているからではないでしょうか。

 

今回見てきたエディージョンス監督は人間的にもチームを率いるという意味でも本当に素晴らしい監督です。ビジネスや他の場面でも参考になることが多くありました。ラグビーワールドカップで、日本代表の選手達がキラキラ輝きました。これからもさらに輝くことを心から願っています!

 

まとめ
ラグビー日本代表チームの躍進
・監督、コーチもレベルの高いプロを揃えてチームを運営していること。
 特に、根本的なスキルやメンタルの育成に力を入れていること
・強みを知り、強みを伸ばすこと
・選手が挑戦でき、選手の力を引き出す環境を作っていること